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第一回
監督:御影インタビュー


第二回
原作・脚本:鏡 遊インタビュー


第三回
キャラクターデザイン・原画:KIMちーインタビュー

第四回
キャラクターデザイン・原画:
ちこたむインタビュー

第五回
キャストコメント:
志村 由美(シオン役)

第六回
キャストコメント:
間島 淳司(榛名 亮役)

第七回
キャストコメント:
中島 裕美子(エリカ役)

第八回
キャストコメント:
遠近 孝一(稲葉 直人役)

第九回
キャストコメント:
中村 繪里子(浅井・F・ラヴィニア役)

第十回
キャストコメント:
岡田 純子(ナツメ役)

! 第十一回 !
次回は近日更新予定です♪

 

 ということで、『eden*』スペシャルコンテンツ第二弾は原作・脚本、鏡 遊(かがみ ゆう) インタビューです。
 前回の監督・御影インタビューでは、作品全体についての内容となっておりましたが、今回は原作・脚本に関する部分を中心に、語ってもらいました。
 本作のテーマに関するお話や、企画初期と完成版の脚本との違い等を、ちょっとした世間話風にお届けいたします。
聞き手:minori営業 相良
相良   鏡さんに触れるのが初めて、という方もいらっしゃると思いますので、簡単な自己紹介をお願いします。
鏡 遊    はい。どうもはじめまして、シナリオライターの鏡遊と申します。
 今回、『eden*』では原作と脚本を担当させていただいてます。
 minoriさんのファンの皆様にはお馴染みというか、「またお前か」という感じかもしれませんが、ええ、また出てきましたー。

 普段は、引きこもってパタパタとキーボードを打つだけの日々を送っています。作品の打ち上げなどがあると、「ちゃんと出席しろよ」とわざわざ釘を刺されてしまうほど、人前に出ない人です。
 つーか、引きこもって仕事ばかりって、シオンみたいですね。世界とか救えませんが。
相良   『ef』の打ち上げの時も、御影が「ちゃんと来てください!」って連絡差し上げてたみたいですが、ご出席ありがとうございます(笑)
鏡 遊    いえいえ(笑)
 普段は一応、フリーとして、ちょこちょことお仕事をしています。minoriさんの作品では『はるのあしおと』『ef - the first tale.』『ef - the latter tale.』の脚本や原作などをやらせていただきました。他のメーカーさんでもお仕事していますが、キャリアから考えると手がけた本数は明らかに少ないですね。まあ、1本に掛ける時間が長いです。
相良   『はるのあしおと』が2004年発売ですから、かれこれ5年お世話になっている訳ですねえ。そんな鏡さんですが、『eden*』で、minoriでの執筆は3作品目となります(『ef - the first tale.』『ef - the latter tale.』はひとつのお話なので)。本作でのご担当内容を具体的にお聞かせください。「原作、脚本です」の一言じゃない感じで頂けると助かります(笑)
鏡 遊    『eden*』では企画(原作)を作り、脚本を書いてOKをいただいたら、あとはお任せ――という感じですね。よそのお仕事ではイベントCGの指定などをやることもあるのですが、minoriさんでは演出の部署が存在することもあって、こちらではこれといって何もしてません。ついでに、CG枚数のことなど考慮してない脚本を書いているとかいないとか(笑)
相良   (笑)でも確かに、minoriでは「脚本を書く=演出をする」という捉え方ではないですね。その点では、“ご自身で演出やCGを入れるシーンの指定をする”制作方法と比べていかがですか?
鏡 遊    楽であることは間違いないですね(笑)。CG指定にも時間と手間がかかるので。
 でもまあ、どちらかと言うと原画より脚本が先行できることのほうが重要ですね。プロット(注:原作の範疇)の内容からCG指定を上げることも多いと思いますが、原画が同時進行していると、脚本段階でのお話の変更も難しくなりますから。
 そういう意味でも、minoriさんのやり方はありがたいですね。
相良   なるほど。進めやすいに越した事はないですもんね。ちなみに、本編の脚本完成後は、どんな日々を送られているんですか?
鏡 遊    今は販促関係のお仕事がメインになりますね。電撃G'sマガジンさんで連載しているショートストーリーや、こういうインタビューなどを受けながら、完成する日を楽しみに待っています。
相良   場合によっては、グッズとしてのドラマCD等もありますしね。シナリオライターさんって、本編の脚本完成後も、ずっとその作品の世界を広げていってくれる訳ですな。
では次に、原作・脚本という立場から、これから『eden*』に触れる方へ向けて、簡単に作品の解説をお願いします。
鏡 遊    お話についてはまだ言えないことも多いのですが、ざっくり言うと「恋愛物」になるかと思います。
 地球が滅びそうだったり、軍隊が出てきたりと物騒な要素も含まれていますし、それらももちろん重要ではありますけど。

 ただやはり、一番のポイントは恋愛ですね。主人公は元特殊部隊とはいえ、軍隊では下っぱに属しています。そんな彼と、「人類を救った少女」がどうやって関わっていくのか? 時代錯誤な言葉ですが、「身分違い」ですから。さて二人は、どうなるのやらという物語です。
相良   確かに様々な舞台設定や緊迫した状況下、という部分はありますが、“あくまでも「恋愛」が描かれている”という部分を強調できるというのは、潔くて気持ちがいいですね。
鏡 遊    そこに、どこかクセのありそうなメイド、銃やナイフを振り回す危険な女兵士もいますしね。主人公がおかしなヒロインたちに振り回される形式は、お約束ということで。
相良   「恋愛物」には大事な約束事が多いですからね(笑)
さて、物語については今お話いただいた通りですが、そもそも本作の企画が始まった経緯はどういったものだったのでしょうか。また企画段階から、脚本の完成に至るまでに“ここは少しずつ変わってきた”という部分等があれば、お聞かせください。
鏡 遊    経緯については、だいたい御影監督が説明されているとおりで。
 『ef』本編の脚本を書き終わって、ライターが暇になったので中規模作品を作ってみようか――ということになりまして。
相良   「暇になった」って(笑)
鏡 遊    じゃあ言い方を変えて、「『ef』から手が離れたので」にします(笑)
 その時は確か、『はるのあしおと』も『ef』も一応学園モノっぽかったので、なにか方向性の違うものを作ってみようか、という話をしていましたね。

 その後、ざっとした企画案を10〜15個くらい御影監督に提出して、「地味」「つまらない」「田舎帰れ」と次々にはねつけられて(やや誇張有り)、ようやく一つ引っかかったのが『eden*』の原型でした。
相良   その御影キャラ、凄くイイですね(笑)
鏡 遊    本当、御影監督のチェックは恐ろしいんですよー。原作や脚本をminoriさんに提出すると、まずは監督がチェックされるんですけど、自分の感想をおっしゃる前に質問してくるんですよ。「鏡先生は、これ、自信ありますか?」と。怖い質問ですよね(笑)。どう答えてもつっこまれそうで。こちらも自信があるので提出してますから、肯定しますけど、毎回とても心臓に悪いです(笑)。
相良   あれじゃないですか? よく恋人たちが交わす
女子「ねえ、○○は、ワタシの事好き?」
男子「うん、好きだよ」
女子「じゃあ、どのくらい好き?」
っていうあれ(笑)
鏡 遊    嫌な例えですね(笑)

 なんか話が逸れましたが。
 そういえば、最初期の企画案を見ると、なんとなく星新一さん的な匂いがするんですよね。自分が最初に触れたSFが星新一さんの作品だったので、その手の作品を考えるとどうしても影響が出てくるのかもしれません。
 まあ、企画はだいぶブラッシュアップして、かなり別物になりましたけどね。
相良   お! 具体例が出ると興味深いですね。ちなみに、星さんのお話で、特にお好きなのとかあります? 個人的にはそんなに読んでいないんですが、「おーいでてこーい」とか感銘を受けたのを思い出します。
鏡 遊    あー、「処刑」とか好きでしたね。確か、主人公が何もない星に流刑にされる話で。銀色の玉を持たされて、それのボタンを押すとコップ一杯分の水が出てくるけど、何度か押すと爆発するという……。えぐい設定ですけど、妙な迫力がある話だったかと。
相良   今でいう、ソリッド・シチュエーション・スリラー的な感じですかね。読んでみます。ここをご覧の方も、チェックしてみると面白いかもしれませんね。
鏡 遊    後は企画から変わっていったところですよね……。
 ああ、少しずつじゃなくてはっきり変わった部分が一つありまして。
相良   ! そういう話を待ってましたよ!
鏡 遊    シオンは当初、ラヴィと変わらない年格好の予定だったんですが、キャラクターデザイナーのちこたむ先生か御影監督のどちらか、あるいは両方のご要望で、あのとおりのちびっ子になりました(笑)
 ちこたむ先生のちびっ子キャラは反則的な可愛さですし、ヒロイン全体のバランスも良くなったので、正解でしたね。
相良   関係筋は変態ばかりということですね。心に刻んでおきます。

さて。気を取り直して次の質問いってみたいと思います。次第に完成に向かいつつある同作ですが、minori作品の流れの中では、どういった位置づけにある作品とお考えでしょうか。これまでに実際関わられた『はるのあしおと』『ef - a fairy tale of the two.』等の流れと絡めてお聞かせください。
鏡 遊    僕個人としては、これまでと変わったことをやっている意識はさほどありませんね。
 とにかく面白いものを作る! というのが前提ですし、まずはそこが揺らがないようにと。
 企画を作る時にminoriさんから言われることは、「内容は自由」ですからね。「ただし、面白ければ」、という一貫した条件が付きますけど(笑)
 ていうか、そういうスタンスじゃなかったら『ef』の一部とか、たぶんOK出なかったでしょうねー。
相良   それは『ef』のどの辺りで?
鏡 遊    ネタバレになるので、ここではっきり言うのもはばかられますが(汗)。
 まあ、優子さんが色々と凄いことになる辺り……。僕がプロデューサーとかだったらOKしなかったかも……。
相良   そんな(笑)でもまあ、言わんとするところは何となく分かります。
鏡 遊    またちょっと話が逸れてますが。まー、僕は外部の人間なので、あまり流れとか語るのもなんですけど(笑)
 minori作品は“面白いもの”という基本を抑えつつ、見せ方を工夫し続けてるって印象でしょうか。
 特に演出などについては……たまに見せていただくんですが、すげぇことやってるなぁと。というか、こんな大変なことをやっていて大丈夫なのかminoriの人たちは、と心配になるくらいで……。
 いや、大丈夫じゃないんでしょうけど(笑)
相良   ははははは(他人事)

さて、ここで突然ですが『eden*』の登場人物では「どの子がお気に入り」等ありますでしょうか? 生みの親である鏡さんとしては皆さんかわいいとは思いますが、強いて挙げるなら、という部分を、その理由と合わせて是非お答えくださいませ。
鏡 遊    強いて一人、お気に入りを上げるならラヴィでしょうか。
 軍人で、准尉というけっこうな階級まで昇進して、荒っぽいところも多々ありますが、よくある姉御肌という感じでもない。可愛らしさを失ってませんね。
 のんびりしたメイドのエリカさんともいいコンビです。
相良   御影と被ってくるかと思ってたので、ちょっと意外です。
鏡 遊    ドSの御影監督とはあまり趣味が被りません。僕は普通の人なので(笑)
 ラヴィは外見や設定を見るとツンデレっぽく見えるかもしれませんが、主人公に対しては最初からフレンドリーだったりします。公開されているイベント絵では拳銃突きつけてたりしますけど(笑)
 ナイフ使い、というのは完全に鏡の趣味ですね。まあ、刃物と美少女の組み合わせの素晴らしさは多くの作品で証明されてますし。
 戦闘員でありながら、ミニのタイトスカートというのもいいですねー。
 戦う美少女、というのは男の子の煩悩を刺激しますよね。
相良   世の中、変態が多いなあ(笑)

さて、まだ完成までは間がありますが、“ネタバレ”にならない範囲で「自分が一プレイヤーとして見た時の、この作品の見所」はどういった部分でしょうか? また、もしあれば「この作品に密かに込めたメッセージ」や「隠れたテーマ」、「プレイヤーの皆様にとって、『eden*』がこういった作品になれば」というお気持ちも是非お聞かせください。
鏡 遊    んー、難しいですが……「空気」ですかね。
 元特殊部隊のクールな主人公、人類を救った無表情系のちびっ子、おっとりメイド、ナイフ使いの物騒な女兵士と、ちぐはぐな人間関係が異様な空気を作っているというか。
 なんか絵ヅラ的にも面白いですよね。軍人とメイドとちびっ子が、怪しげな洋館をうろうろしてたりとか。設定を知らずに見たら、なんだこれって感じで(笑)
 こういう、ちょっとズレたところも楽しんでいただければ。
相良   (笑)キャラクターの属性で挙げていくと、また変態的な文字列になるもんですねえ。では最後になりますが、このインタビューをご覧になっているユーザーの皆様へ一言お願いします。
鏡 遊    劇場版が今から楽しみですよね>「東のエデン」
相良   ちょ、そこ続けていくの!?(爆笑)
今日はありがとうございました(笑)
  2009年6月 minoriにて
 

鏡 遊(かがみ ゆう)

Wikipediaによると、フリーのシナリオライター。アダルトゲームブランドminoriの作品に多く参加している。とのこと。
minori内では「御影と鏡さんはナイショの恋愛関係にある」という見方をする人間が多いのですが、上の内容からも、読んでいるこちらが赤面してしまうような、そんな恋模様がうかがえました。ごちそうさま。
僕のこれまでのイメージでは、“おっとりした好青年”でしたが、今回のインタビューでは一流HENTAI紳士としての一面も垣間見えてドキドキです。

やっぱり男は、「戦う美少女」ですよね、鏡さん。わが夫となる者は、さらにおぞましきものを見るだろう、って事ですよね。(紹介文:インタビュアー 相良)

 
 
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